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Column

2023.3.16

先端分野で活躍するアルミニウムの特性を解説!軽くて丈夫なだけじゃない!

アルミニウムといえば、軽くて丈夫というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?

アルミニウムには、他にも実に様々な特性があり、先端分野でも活躍している素材なんです!

今回は、アルミニウムの特性について、実際にその特性を生かしてどんなものに活用されているかを含めて、詳しく解説します。

 

 

アルミニウムの素材特性

 

軽い

最大の特徴は「軽い」こと。

アルミニウムの比重は2.7なので、鉄や銅と比べると約3分の1ということになり、同じ体積であればかなり軽くなるのです。

様々な商品で軽量化が求められている今の時代にマッチしているといえるでしょう。

 

*特性が活用されているもの*

自動車、鉄道車両、航空機、船舶、コンテナ、各種機械の高速回転部品やしゅう動部品、大型装置など

 

 

 

比強度が大きい

アルミニウムは単位重量当たりの強度(比強度)が大きいです。

純度が高いアルミニウムの引張強さはそれほど大きくありませんが、マグネシウムや銅などを加えてアルミニウム合金にしたり、圧延加工をしたり、熱処理をしたりすることで強度を高めることが可能。

リチウムを加えると、低密度かつ高剛性の合金ができます。

 

*特性が活用されているもの*

輸送機器、建築物や大型構造物の材料、航空機など

 

 

 

耐食性が高い

アルミニウムは酸素と反応しやすいです。

そのため空気中では、表面に非常に緻密で安定した酸化皮膜を生成し、この酸化皮膜が腐食を自然に防いでくれます。

アルミニウム合金は、さらに耐食性と強度が高いです。

 

*特性が活用されているもの*

建築、自動車、船舶、海洋開発など

 

 

 

磁気を帯びない

アルミニウムは非磁性体ですので、周囲に磁場があっても影響されません。

軽い、耐食性が高い、加工性が良いといった特徴と合わさり、様々な商品に活用されています。

金や銀なども非磁性体ですが、それらよりも安価です。

 

*特性が活用されているもの*

計測機器、電子医療機器、メカトロニクス機器、リニアモーターカー、超伝導関連機器など

 

 

 

電気をよく通す

アルミニウムは、導電体として大変コストパフォーマンスが良い金属です。

同じ重さの銅と比較すると、2倍の電流を流すことができます。

軽いという特徴と合わさり、送電線材料として非常に優秀です。

 

*特性が活用されているもの*

高電圧の送電線、導体、自動車のワイヤーハーネスなど

 

 

 

熱をよく伝える

アルミニウムは熱伝導率が高く、鉄の約3倍です。

熱をよく伝えるということは、冷えるのも速いということなので、この特徴が上手く活用されています。

 

*特性が活用されているもの*

冷暖房機器、各種熱交換器、自動車のエンジン部品、ソーラーコレクター、飲料缶、放熱フィン、ヒートシンクなど

 

 

 

低温に強い

アルミニウムは液体窒素(マイナス196℃)や液体酸素(マイナス183℃)などの極低温下でも強度の低下が見られず、靭性が大きいという性質があります。

 

*特性が活用されているもの*

低温プラント、LNG(液化天然ガスマイナス162℃)タンク、宇宙開発分野、バイオテクノロジー分野、極低温の超電導関連など

 

 

 

毒性がない

アルミニウムは、無害・無臭で衛生的な金属。食品類とも反応しません。

万が一金属が溶け出すなどして体内に取り込まれても99%以上は排出されるので、重金属のように人体に害はありませんし、土壌への害もありません。

 

*特性が活用されているもの*

食品や衣料品の包装容器、医療機器、家庭用器物、飲料缶など

 

 

 

光や熱を反射する

アルミニウムは、赤外線や紫外線、通信機器から発する電磁波、各種熱線などを反射する性質があります。

純度を高いものや、鏡面加工を施したものは、よりこの特性に優れています。

 

*特性が活用されているもの*

暖房機器の反射板、照明器具、宇宙服、ポリゴンミラーをはじめとした光エレクトロニクス製品など

 

 

 

表面処理がしやすい(見た目が美しい)

アルミニウムは素地のままでも美しい金属ですが、アルマイト処理(陽極酸化皮膜処理)などの表面処理を施せば、さらに美しくできます。

また、表面を硬くしたり、防食効果を高めたりすることも可能。

その他、皮膜処理の際に、染色や電解着色によって多彩な色を付けることもできるので、デザイン性が高い金属といえます。

 

*特性が活用されているもの*

電気製品外筐、建築外装、包装材など

 

 

 

鋳造しやすい

アルミニウムは、融点が低く、溶けた状態でも表面が酸化皮膜で覆われていてガスを吸収しにくいため、湯流れがよいという特徴があります。

このため、1.63.2mm程度の薄肉の鋳物や、複雑な形状の鋳物をつくることができるのです。

 

*特性が活用されているもの*

ピストン、シリンダーブロック、エンジンブロック、ホイールなどの自動車部品、各種産業機械部品など

 

 

 

加工性が良い

アルミニウムは塑性加工がしやすいので、紙のように薄い箔や、複雑な形状の押出形材でも、様々な形状に成形することができます。

また、できあがった製品素材をさらに形成加工したり、精密加工を施したりすることも可能です。

また、切削加工にも優れているほか、鋳造しやすい点についても加工性のよさにつながっています。

 

*特性が活用されているもの*

金型などの工具類、機械部品など

 

 

 

接合しやすい

アルミニウムは、溶接、ろう付け、はんだ付け、電気抵抗溶接、リベット接合など、さまざまな方法で簡単に接合できます。

接合技術は進化を続け、摩擦撹拌溶接、レーザービーム溶接といった技術が生まれ、活用されています。

 

*特性が活用されているもの*

車両をはじめとする構造部材の接合など

 

 

 

真空特性が良い

他の金属類と比較して、真空装置の材料にアルミニウムを使うとガス放出率が非常に小さく、真空到達性能が大変優れています。

 

*特性が活用されているもの*

高真空ポンプや配管、高真空半導体装置、理化学実験装置など

 

 

 

再生しやすい

アルミニウムは他の金属と比較して、長期間使用しても腐食しにくく、融点も低いため、使用後の製品を溶かして簡単に再生できます。

さらに、二次地金(再生地金)をつくるためには、新しい地金を作る場合と比べて、わずか3%のエネルギーで済むといわれています。

また、品質も新しいものとほとんど変わりません。

このように非常にコストパフォーマンスが良い材料ですので、SDGs時代においても、省資源・省エネルギー化の一端を担っています。

 

*特性が活用されているもの*

飲料缶など

 

 

 

 

最後に

ご紹介した特性を持つことからアルミはたくさんの身のまわりの製品に利用されています。

ここでは述べておりませんが、アルミの中にもさまざまな種類があります。

用途により、ほかの材料と混ぜ合わせて、純度を調整しています。

昭和軽金属では、材料を選ぶ段階からご相談させていただきます。

材料選び→設計→加工→表面処理とワンストップで進めるところが弊社の強みです。

まだご検討段階の製品でもぜひご相談ください。

 

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監修者

  • 取締役社長

中 保博

昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。