アルミのお役立ち情報
Column
2024.5.31
NSPとは?
NSPとはNew Standard Priceの略語で、アルミの地金相場の変動を考慮し、公平かつ透明性のある価格設定をするためのルールです。
今回は、アルミ価格が変動する要因とNSPルールについてご紹介してきていきます。
アルミ価格が変動する要因
アルミの価格は「アルミ地金」の価格と、「ロールマージン」の価格に加算されて決定します。
「アルミ地金」とは、アルミ鋳物を鋳造するための原材料で、純粋な形態のアルミニウムのことを指します。インゴットと呼ぶこともあります。
アルミ地金の価格は国際相場によって日々変動しており、この変動がアルミニウム製品にも影響することになります。
「ロールマージン」とは、アルミ地金を成型する際にかかる加工費用のことです。加工だけでなく、運送するためのコスト等も含まれます。
NSPとは?
冒頭にもご紹介したように、NSPとはNew Standard Priceの略語です。
日本国内において、アルミの地金相場をアルミ製品の価格に反映させるためのルールであり、NSPルールとも呼ばれます。。銅やステンレスなど別の素材では、NSPという言葉は使用しません。
日本経済新聞に毎月第一月曜日に掲載される、アルミ地金の月間平均相場が基準価格となり、 3ヶ月単位の地金価格の変動をもとに、その平均値の一桁目を四捨五入し+10円したものがNSP 適用価格 となります。この+10円はエキストラと呼ばれます。
毎月の平均価格で取引を行うとなると、相場価格が急騰や急減がした場合に実勢価格への影響が大きくなってしまいますので、三か月の平均によって決められるルールになっています。
NSP適用期間の区切り
NSPの適用期間には区切りがあります。区切りは以下の通りです。
NSP適用期間 1〜3月 相場適用期間 9〜11月
NSP適用期間 4〜6月 相場適用期間 12〜2月
NSP適用期間 7〜9月 相場適用期間 翌年3〜5月
NSP適用期間 10〜12月 相場適用期間 翌年6〜8月
例えば、あると年の1月〜3月の価格が
1月 380.5円/kg
2月 390.7円/kg
3月 385.7円/kg
だとすると、3ヶ月平均が385.6 円/kgとなり、一の位を四捨五入して390円/kg、エキストラの+10円をして、NSP適用価格は400円/kgとなります。
監修者
- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。