アルミのお役立ち情報
Column
2024.10.31
アルミニウムの放熱性について解説
アルミニウムには様々なメリットがありますが、その1つとして放熱性が優れていることが挙げられます。放熱性に優れているという特徴は、アルミニウムの熱伝導率の高さに関連しています。
今回はそんなアルミニウムの放熱性(熱伝導率)について解説します。
熱伝導率とは?
熱伝導とは、物体の内部で熱が高温から低温へ運ばれる現象のことです。高温部分の活発な分子運動の働きが低温部分へ移動することによって起こります。
熱伝導率とは、この熱の移動のし易さを表した数値です。単位は「W/m・K」で表され、この数値が大きいと熱が移動しやすいということになり、熱伝導率が高いといえるのです。
アルミニウムの熱伝導率
アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍です。具体的な数値で言うと、鉄は80W/m・Kなのに対してアルミニウムの熱伝導率は237W/m・Kです。
このように、アルミニウムは金属の中でも熱伝導率が高いといえます。
ただし、この数値は純アルミニウムの熱伝導率です。世の中で活用されているアルミニウムのほとんどはなんらかの元素が添加されたアルミニウム合金ですので、合金の種類によってその伝導率は異なります。
実は、銅や銀の熱伝導率はアルミニウムよりも高いです。しかし、銅や銀は重たくコストも比較的高いため、軽く安いアルミニウムが重宝されています。
熱伝導率の高さ≒放熱性の高さ
冒頭でアルミニウムは放熱性が高い点がメリットの一つであるとお伝えしました。
熱伝導率が高い、つまり熱をよく伝えるという性質は急速に冷えやすいという性質でもあるのです。そのため、熱伝導率の高さ≒放熱性の高さであるといえます。
熱伝導率(放熱性)の高さを活かした製品
アルミニウムの熱伝導率(放熱性)の高さを活かした様々な製品があります。
フライパンや水筒などの日用品、キャンプ用品であるメスティン、飲料缶などの身近なものから、熱交換器、冷暖房装置、エンジン部品などに至るまでその種類は様々です。近年では、リニアモーターカーや超伝導関連機器にも活用の幅が広がっています。
ユニークなものでは、手の熱をスプーンに伝えることで硬いアイスクリームが食べやすくなるというアルミニウムスプーンも登場しました。
まとめ
アルミニウムは熱伝導率が高いという特徴があり、これは熱しやすく冷めやすいという放熱性の特徴があるということでもあります。また、軽くてコストがやすいという点も大きなメリットとなり、アルミニウムのこの性質は多くの場面で活用され、私たちの生活を豊かにしてくれているのです。
監修者
- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。