アルミのお役立ち情報

Column

2024.7.1

アルミニウムは環境にやさしい優秀素材!リサイクル率が90%を超える理由

 

アルミニウムは、缶や調理器具、鉄道などの乗り物などに使用されている、非常に身近な金属です。アルミ缶をリサイクルに出したことがある方は多いとは思いますが、実はこのアルミニウムはリサイクルの際のエネルギーが少なく、リサイクル率が大変高いです。
今回は、そんなアルミニウムのリサイクルに関する情報をご紹介します。

 

 

アルミ缶のリサイクル率

 

冒頭でもご紹介したようにアルミ缶のリサイクル率は非常に高く、日本アルミニウム協会の情報によると、2014年〜2022年までの国内でのリサイクル率は常に90%を超えています。
その中で、アルミ缶として回収して再びアルミ缶の材料として使用することをCAN to CAN リサイクルと呼ぶのですが、アルミ缶リサイクルの70%前後がこの形でリサイクルされています。
世界的にみてもリサイクル率は高く、70%程度となっています。これは、他の主な飲料容器であるビン(34%)とペットボトル(40%)と比較しても大変高いです。

 

 

アルミニウムのリサイクル効率

 

アルミニウムは、リサイクル率だけではなく、リサイクル効率が非常に高いです。アルミニウムをボーキサイトから生産するには大きなエネルギーが必要ですが、再溶解してインゴット(金属塊)を生産する場合は、ボーキサイトから生産する時に必要なエネルギーの約5%ですみます。

 

 

アルミ缶のリサイクル率が高い理由

 

アルミ缶のリサイクル率が高い理由のひとつに、ビンやペットボトルと比較して回収率が高いことがあります。自治体だけでなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗回収拠点も多いですし、町内会やボランティア、学校などによる集団回収も年々増加しています。リサイクルする際の損失が非常に少ない点(リサイクル効率が高い点)も、リサイクル率の高さに大きく影響しています。
また、リサイクルコストが圧倒的に安いです。自治体によっては、アルミの回収によって利益が出ているケースもあるのです。

 

 

リサイクル率の高い先進国の制度

 

日本のアルミニウムのリサイクル率は高いですが、ドイツでは99%、ノルウェーでは96%と、環境先進国ではさらに高い率となっています。こうした国で採用されている制度をご紹介します。

 

デポジット制度

スウェーデンでは1982年に、生産者に75%以上のアルミ缶のリサイクル率を課すリサイクル法が制定され、それを受けて飲料業界がこのデポジット制度を導入しました。
デポジット制度とは、容器に入った飲料を購入する際にデポジット(預かり金)を支払い、その容器を店舗などの各種回収場所に返却することで、デポジットが戻ってくるという制度です。この仕組みにより回収率を高めることができます。

 

可変税

ノルウェーでは、飲料容器のリサイクル率の増加に反比例して飲料容器の税額が減額される「可変税」が導入されています。リサイクル率が95%以上になると、税額が0になる仕組みです。この仕組みにより、飲料メーカーなどは回収率を高めるために自主的にデポジットシステムを構築しています。

 

 

まとめ

 

アルミニウムは、国内でも、世界でもリサイクル率が高い優秀な素材です。
リサイクルをするためのエネルギー効率が非常に良いことから、多くの国で積極的な回収とリサイクルが進められています。
日本では90%以上と高いリサイクル率ではありますが、まだ改善の余地はあります。不純物をのぞいて回収をすることでより効率的なCAN to CAN リサイクルを増加させたり、デポジット制度のような制度を導入すること、更なるリサイクル率の向上を目指せるでしょう。

 

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監修者

  • 取締役社長

中 保博

昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。